次は東京~あと2年半 物流の課題は
夏のオリンピックは32回目
東京オリンピックは第18回大会(1964年)に続く2回目の開催で、通算32回目の開催となります。
開催日程も決まっており、2020年7月24日(金)~8月9日(日)の17日間です。
2013年9月に東京開催が決定した段階では「7年後なんてまだまだ先」と思っていたのが、気が付けば2年半後に迫ってきました。
平昌に続くアジアでの開催。次の真夏の東京開催が楽しみですね。
前回の夏のオリンピックはリオデジャネイロ。その前はロンドン?北京?
子供の頃テレビにかじりついて観たロサンゼルス五輪でロケットマンが飛んできて度肝を抜かれ、カール・ルイスが100メートルを9秒代で走って4冠でスーパーヒーローだったのを思い出します(おっと、もう34年も前か)。
資料:夏季オリンピック開催都市一覧
多くのリスク・課題
世界的な大イベントを開催するにあたり、各業界で様々な対応がとられています。
国土交通省では、大きく6カテゴリーの取組がなされています。
①セキュリティの万全と安心確保
・海上警備体制、テロ対策、首都直下型地震対策、台風等水害対策、気象観測・予測の向上
②アスリート・観客等の円滑な輸送
③外国人受入のための対策・訪日促進
④暑さ対策・環境問題への配慮等
⑤ユニバーサルデザイン・心のバリアフリー
⑥その他(オリジナルナンバープレート、建設分野の外国人材活用など)
物流業界にも大きな影響を及ぼす問題が多数出ています。
アスリート・観客等の円滑な輸送
輸送に関する取組としては、空港の機能強化、空港アクセスの改善、道路輸送インフラの整備、円滑な物流確保がテーマとなっています。
羽田空港の処理能力アップが最優先の取組とされ、さらに空港へのアクセス改善として主要駅のバリアフリー化や外国人対応が進められています。
【大容量のエレベーター】京急羽田空港国際ターミナル駅30人乗りEVが上下線フォームで計7基
(写真:弊社撮影)
【外国人対応】東京モノレール羽田空港国際線ビル駅 日本語より英語の方が大きい運賃表
(写真:弊社撮影)
先日、地下鉄日比谷線を利用した際、すでに構内アナウンスで英語が使われていました。
駅員の方も外国人の質問にスラスラと対応(もちろん英語)している場面を目の当たりにして、道を聞かれそうになるとスマホを見ているフリをする自分を恥ずかしく思うこの頃です。
円滑な物流の確保に向けて
前回のロンドンオリンピックでは、下記の物流対策が行われました。こういった事例を元に、今後の対策が検討されています。
①荷主等への開催期間中の行動変容の呼びかけ(商品配送時間やルート見直しの呼びかけ)
②物流事業者や荷主による対策(配送時間やルートの変更、利用者への配送の遅延見込みの予告等)
また、物流を考慮した建築物の設計・運用の促進として、下記が課題として例にあげられています。
・建物内駐車場の高さ不足
・荷捌き場・駐車場のスペース不足
・貨物用エレベーターの不足
・建物内の搬出入経路が不明確 等
【写真】ビル内の駐車場に入れず、周辺の道路で荷捌きを行っている様子
(写真:国土交通省資料より)
残すところ約2年半で、どこまで課題がクリアできるか、物流業界が担う役割が多く残されています。
開催期間が夏の物流の多い時期と重なるため、事前の準備がどこまで出来るかが鍵になりそうです。