物流用語の基礎知識③ 貨客混載

2017年9月より貨客混載の範囲が拡大

貨客混載とは

自動車運送事業が旅客と貨物の輸送それぞれに特化してきた従来のあり方を転換し、サービスの「かけもち」を可能とするものです。

今までは「人」と「荷物」の輸送を同時に行うことは、法律によって原則禁じられていました。

それを、乗り合いバスについては全国で可能に、貸し切りバス、タクシー、トラックについては過疎地域で可能にするものです。

狙いは、主に過疎地域において事業困難となっていた貨物輸送と、旅客輸送事業を共に経営的に底上げしようというものです。とりわけ過疎地域においては、鉄道輸送・バス事業の便数の少なく、それすら乗客減少により廃止の危機にさらされている路線が数多く存在しています。

変更点

  1. これまでは乗合いバスが運べる荷物は350キロ未満でしたが、それより重い物も運べるようになります。
  2. タクシーが荷物を運べるように、トラックでは逆に荷物を運ぶ途中でお客を乗せることが出来るようになります。(過疎地限定)

出展:国土交通省HP

貨客混載で想定されるイメージ

定期路線運行を行う乗合バスにおいて、同一方向に向かう貨物を一緒に載せ、地場のトラック事業者と共同することで、効率的な運送を実現します。

過疎地域では、時間帯に応じてタクシーを活用し、人・物の運送を効率的に使い分けることが可能になります。

トラックでも人・物を同時に運び、途中で人を乗降させるなども出来ます。

出展:国土交通省

貨客混載への期待

宅配業では、荷物を運ぶ時にバス業者と協力すれば、トラックドライバーの運転距離らすことができます。運送業界では、ドライバーの不足と長時間労働が大きな問題ですし、過疎地のバスやタクシーは人口減少運賃収入っているので、貨客混載をうまく組み合わせることが出来れば、人手不足の解決策の1つになるかもしれません。

※人と物の輸送の「かけもち」には、一定の条件があります。詳しくは国土交通省HPでご確認ください。