物流用語の基礎知識② 3PLってなに?
3PL(third party logistics)について
80年代に日本に流入してきた3PL。あらためてどういう意味なのでしょう。
サードと言うだけあり、ファーストとセカンドもあります。
3PLの概要
3PL(サードパーティーロジスティクス)とは
「荷主に対して物流改革を提案し、包括して物流業務を受託する業務」
【出典 国土交通省 総合物流施策大綱(1997-2001)】 ※この場合の「Party」は一団・団体の意味。
ファーストパーティ
荷主企業が自身でロジスティクスを行う業態
セカンドパーティ
物流専門業者へロジスティクスを部分的に委託する業態
サードパーティー
荷主企業のロジスティクス業務を物流専門業者へ包括的に委託し、荷主企業に代わってマネジメントを行う業態
(図)国土交通省HPより
3PL(サードパーティーロジスティクス)のメリット
委託する主なメリット
- 投資抑制
- コスト削減
- 労働問題の排除
- 物流プロセスの効率化
- 生産性向上
その他にも、
「季節波動や業界動向などの変化へ柔軟に対応ができる」
「新技術の取込みが早期に行える」「事業規模の変化に応じて使用設備や要員を柔軟に変化させられる」
「自社でロジスティクスに通じる人材を育成する必要が無くなる。その結果、人・モノ・金といったリソースを投資効果の高い事業へ優先的に投入することができる。」
などの利点がある。
3PLサービスのポイント
3PL先のポイントは何か。料金比較だけで決めるのではなく、以下のポイントを検討項目として押さえる必要がある。
一番大事なことは、どのような物流・ロジスティクスを実現しようとするのかの戦略に基づき、
範囲や目的などの方針を明確化したうえで委託すること。それがサービス選定の基本となる。
①運賃・料金水準と物流品質
目先の運賃・料金水準よりも、提供される物流サービスの水準をより重要視すべきである。
委託先の選定にあたって、荷主は運賃・料金水準をとりわけ重視する傾向にあるが、
良質なサービスを長期安定的に確保しなければならない。
②物流量の波動への対応
物流事業者が保有する拠点・トラックなど、庸車・借庫の能力などについてもチェックする。3PL事業者の場合は、特にこの点が重要。
倉庫やトラックを保有するアセット型のほうが、一般的には需要変動への対応力がある。
③情報システム
ビッグデータに代表されるように、近年、物流分野ではICTの活用が活発化している。
配車計画・在庫管理など現場オペレーションの分野に幅広く情報管理サービスが提供可能か、データの解析能力に秀でているかを判断する。
④問題解決・コンサルティング能力
継続的な改善を積極的に提案する物流事業者を選ぶ。
荷主企業にとって、物流に付帯する問題は一過性の対応で解決することはない。継続的なコンサルティング体制の構築が必要。
⑤物流事業者の業務遂行能力(現場力)
物流事業者の企業規模や実績よりも現場の業務遂行能力(現場力)に着目する。
3PL事業者の場合は、特に作業を行う「孫請け」業者の業務遂行能力を重点的に確認する必要がある。
社会保険研究所 ロジスティクス管理3級テキストより一部抜粋